世界中で募金活動を行っているユニセフ
よく街角でユニセフ募金の協力を呼び掛ける姿を見かけますが、これが実際にどのように使われているのかを知っている人はあまりいません。
善意により集められる募金は民間からだけでなく、様々な国の政府からの任意協力もあります。
割合としては政府等からの協力の方が多くなっています。
集まった募金は日本ユニセフ協会に集まって、そこからニューヨークにある本部に送金される仕組みです。
本部では、各国や地域の状況を見ながら必要な所にお金を送るようになっていて、世界150以上の国や地域での活動に使われています。
スムーズに活動するためには、各国の政府との協力も必要不可欠です。
具体的にどのようにして使われているのかを確認すると、まずはどの地域の人たちが困っているのかを調査することから始めます。
どの地域の人たちがどのようなことで困っているのかを見極め、改善するための策を模索します。
改善策を実施するために必要な予算を立ててプロジェクトを作り、優先順位をつけながら仕事をしていきますので、困っている人から支援を受けられるのが大きな特徴です。
募金によって行われている支援活動
実際の支援を行う時には、その国の政府や団体、地元のボランティアの協力も欠かせません。
計画づくりは短期間で行うものではなく、事業を行う国の政府と基礎5ヵ年計画を作成し、ユニセフ執行理事会で認められると具体的な行動計画に移ります。
途中の過程では、事業の進み具合や使われるお金の内容についてのチェックが行われ、年度事業終了報告書も作られます。
ユニセフが作られたのは、第二次世界大戦が終わった後の1946年です。
第二次世界大戦後の世界では、戦争のために親や家族を無くしたり、家を失ったりして厳しい生活を余儀なくされている子供たちが大勢いました。
その子供たちを、戦争に勝った国も負けた国も関係なくすぐに助けようとしたのがユニセフです。
設立されてから今まで着実に大きくなってきたユニセフですが、世界中で薬や病院の運営に使われたり、安全に暮らせる場所の確保にあてられたり、食事面のサポートに使われたりしています。
世界には貧困のために学校に通えなかったり、幼いうちから働かなければならない環境に身を置いていたり、病気が広まって孤児になる子供たちもいて、今でもたくさんの子供たちが支援を必要としています。
100円の募金をした場合に現地ではどのように使われるのかを見てみると、ポリオから守るワクチンなら6回分、下痢等で体内から水分が失われた時に命を守るために与える経口補水塩なら15袋、ビタミンA欠乏症やはしかによる合併症を予防したり治療するビタミンAカプセル100錠、緊急時に役立つビタミンやミネラルを含んだ微量栄養素パウダー44袋と実に多くの使い道があることが分かり、有意義に使われているようです。
人々の支援意識で成り立っている
日本の人たちが寄付をする場合には日本ユニセフへとお金がいきますので、公益財団法人である日本ユニセフ協会への募金ということで税金が控除されます。
こうした社会活動に積極的に参加する企業もあり、毎年のように寄付する所もあるようです。
一般の人たちが支援する時には、もちろん街角で募金箱にお金を直接入れても良いのですが、他にもいくつかの方法が用意されています。
毎月決まった額の寄付をしたい人はマンスリーサポートプログラムを選択することになり、毎月500円以上の任意の額をクレジットカードが口座振替で寄付します。
1回のみの募金がしたい人は、インターネット上から500円以上の任意の額を寄付でき、クレジットカードやネットバンキング、コンビニ払いから選択可能です。
その際に支援したいプログラムを選んで、使い道を指定できます。
他にもモバイルSuica等の電子マネーによる送金もできますし、携帯電話料金の支払いと同時に寄付することもできますので、利用しやすい方法を選択しましょう。
子供の命を守り、健やかな成長を願うユニセフの活動は、たくさんの人々の善意で成り立っています。
募金活動により、予防接種や栄養補給、安全な水の提供ができるようになり、それが命を守ることにつながります。
教育を満足に受けられない子供たちに教育の機会を用意したり、職業訓練を行ったり、暴力や搾取からの保護を目指したりと非常に幅広い活動を行っていて、地道な取り組みによって助かった命もたくさんありますので、気づいた時には募金活動に協力しようと意識も広がりつつあるようです。
身近な場でもよく目にするユニセフでは募金活動が盛んであり、ボランティアもしばしば募っています。
ですから、協力したいという意思があれば、活動の方法を探すことは決して難しくありません。
善意で成り立つこのような活動では、人々の意識がとても重要です。
最終更新日 2025年4月29日