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エスコシステムズに代表されるESCO事業について
ESCO事業というのは、Energy Service Company事業の略称です。
これは一体どういうものかというと、まず顧客となるのは一般の企業、官公庁、あるいはビルのオーナーなどになります。
一般の個人であっても顧客になれないわけではありませんが、普通は規模が小さすぎて対象とはならないことが多いです。
このような顧客は、何らかの形でエネルギーを消費して事業活動を行っています。
電気、ガス、水道といった、いわゆる光熱費です。
水道に関してはエネルギーとはちょっと意味合いが異なりますが、一般的にはESCOに含めて考えられることが多いです。
これらの光熱費について、エスコシステムズなど顧客に対してESCO事業を行っている会社は節約、削減を提案します。
会社の持っている様々なノウハウ、経験をもとに、現在の光熱費には無駄な点があり、これくらいまでは節約できるはずだということを提案するのです。
無駄なエネルギーがないかどうかを診断する
当たり前のことですが顧客が行っている事業活動にマイナスの影響が生じるようでは困ります。
電気やガス、水道の利用が事業活動に欠かせない、例えばレストランを経営している顧客に対して、無理やりにそれらを節約してはお店の売り上げに影響が出てしまうかもしれません。
そんな提案はもちろん却下ですし、そもそもそういうことが起こらないような提案が行われます。
はっきり言えば、無駄になってしまっているエネルギーがないかどうかを診断し、無駄を無くすような提案をするということです。
その提案に顧客が納得すれば、提案に基づいて実際のエネルギー削減計画が実行されていくことになります。
報酬は削減できた光熱費の中から支払われる
そして、この事業のモデルとして非常に重要なポイントなのですが、顧客がESCOに対して支払う報酬は、実際に削減できた光熱費の中から支払われることです。
もちろん削減できる部分の全てが支払いに充てられるわけではなく、その一部分が充てられます。
残りの部分は結局のところ顧客自身の取り分となります。
つまり、ESCO側にとっても顧客側にとってもwin-winの関係が成立するというのがこのビジネスモデルの重要なところです。
顧客にとってみれば、ESCO側に支払うお金は、何か追加負担となって自社の業績を圧迫するようなものではなく、削減できた光熱費の中から支払うことになるのですから、導入前と比較して負担が増えるわけではありません。
しかも削減できた光熱費の全てをESCO側に支払うわけではなくあくまで一部だけですから、自社にとっても当然ながらメリットがあることになります。
削減目標の保証制がある
気になることがあるとすれば、本当に光熱費の削減が達成できるのかということでしょう。
これは確かに気になります。
もし十分に達成できなければ、ESCO側にとってみれば十分な報酬が受け取れず、かけた労力にペイしないということになるでしょう。
顧客にとってみれば、支払額が決まっているような場合は導入による利益など全くなく、逆にマイナスになってしまうかもしれません。
ただしこの点はESCOにはしっかりとしたノウハウがあり、十分な光熱費の削減が達成できないにも関わらず無茶な提案をするとか事業がスタートしてしまうなどということはまず起こりません。
というのも、この事業モデルのもう一つの重要なポイントでもあるのですが、削減目標の保証制というものがあるからです。
つまり、ESCO側は、顧客のエネルギー消費の現状を分析した結果として、このくらいは削減できるはずであり、その削減量を保証しますという契約を最初に結ぶことになるからです。
逆に言うと、もしその削減量が達成できなかった場合、達成できなかった分はESCO側から顧客側にお金の支払いが生じることになります。
そんなことになってはESCO側は大赤字ですから、基本的にはそんなことは起こらないようになっているのです。
ESCO事業者は削減のプロフェッショナルです
例えば既に乾いた雑巾を絞ると言えるくらいにまでエネルギー消費を節約しきっている顧客がいたとしますと、十分な削減目標を達成することなど困難と判断されてしまい、そもそも事業はスタートしないようになっているからです。
このような保証制もあることでESCOは安心できるようになっているのですが、ここでさらに考えることがあるかもしれません。
確かにESCOの導入で、導入前と比較して追加の費用が発生するわけではないかもしれないけれども、削減した分の一部はESCO側に持っていかれてしまうわけです。
何か釈然としない気持ちが生じるかもしれません。
別にESCOなど導入しなくても、自分自身でエネルギーを節約すれば、節約した部分の全てが自社にとってプラスになるはずです。
なぜそのようにしないのでしょうか。
これは、もちろんそのようにしても全く構いませんし、実際、節約できればそれが全て自社の取り分になることは事実です。
しかし、ノウハウや経験に乏しい一顧客では、なかなか思ったような削減は困難でしょう。
ESCO事業者はそれを提供することができるのです。
最終更新日 2025年4月29日